忍者ブログ
ほら得意の炎で焼いてくれ あなたの言う愛で
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

安物のウィスキーを呷りブラインド・タッチでhttp://に助けを求めた
午前2時22分丑三つ時を少し過ぎたところ。

泥のような眠気の中で、
目の前をよぎるピーター・ラビッツの群れに、息を飲んだ。

無垢なうさぎの、きっちり並んだ足は勇敢に響く足音を携えていた。
カーブを描きながら跳ね上がる不快な雑音。
(ザッザッザッ…)
雑音の羅列に潜むデジャ・ヴを振り払う私はそれと同時にまた何かを忘れる。
(忘れるということは、激しい痛みと慟哭の下でのみ従順だ。)
(…そう、そしてそれはどんな時でも。)
(それでも、忘れながら、いきてきた。)
(忘却を最も恐れ、最も欲した。)

耳の奥、破裂するような音を立てて忘れがちな私は世界の内側から剥離する。
うさぎの足はぶつ切りの私を見て軽やかなタップを刻んだ。
沸き上がる嘔吐感と外側から覗くうさぎの赤い目。

「さあ!わたしはあなたをつかまえにきた!おろかなうさぎのこよ!」

「つみぶかきようすいにまみれたくろきひとみのみどりごよ!」

狂乱するうさぎの叫び声は。同時に突き出された腕。
(助けて助けて助けて助けて助け)途切れる音声。
ぶつ切り、の間に滑り込んだ雑音。
うさぎの柔らかな指は触れて。数十秒の猶予。私は、目撃する。

(ジッ…ガッ、ヒュウゥ…)

きらびやかな色彩の残像と光を失う発光ダイオード、に遮られた視界、
浅はかで真実ばかり見え過ぎる目で字面を追う。

うさぎの目のような真っ赤な嘘はもはやどこにもない。

そして、死にぞこないのピーター・ラビッツも、もういない。

拍手

PR
泳いでいた。魚、のようなうねりを持って。
あの、光る川岸の向こうへ求め、飛ぼうとしていた。
浅はかなひれをはねらせ、自らその道を選んだ。
盲目的に、愛せもしないそれを愛したのだから。

 (どうしようもなく近視眼的で傲慢な思いを懸けて。)

語られない続きは、あったのかもしれない。
でも、それはずっと秘密裏に隠されてきた本当だった。
あまりにも優しく封じられてしまった嘘でもあった。
開けてはいけないと、伝えられずに悟った。
または、触れて、囚われるのを恐れた。

届くと信じた。
それでも、たとえ、いつか。
身を焦がすようにこいつづけ、届いて。

対岸に辿り着いたそれが、干涸らびるのを見るとしても、
正しくなど無い真実など、何一ついらないのだと。

拍手

腕時計が示すお昼前
曖昧な色をした硝子の向こうで
爪の黒い指先と赤い靴が踊るのを見た
また腕時計をちらりと確かめると
「まもられるべきやくそく」は見えなくなった

ひとりぼっちの影が向かう
へし折れた自転車のあちらに
先を指し示す哀れな小さな指が見える
掲げるようにしっくりとしたやわらかさで

...十三時を指す腕時計
「やくそく」からすでに一時間

珈琲は とうに冷めている

拍手

そのおもいがどういうふうにやってきてどうおわるかなんて。

小気味よい音を立ててそれは訪れた
シナリオどおりなど嘘を言い
すべて真実じゃないと嘯いた
見つかってしまうのがほんの少し早かった

けっしてわかられたくもないし、わかるわけがない。

触れることなどかなわない
手の届かない先で震えるだけ
触れてしまって全てを知って
いつか終わってしまうのを恐れるだけ

だから、あなただけおびえるわたしにきづかないでいて。

拍手

軽やかに舞う貴方の足先
その黒びた爪を見て やっと視る眼を思い出す
視線は下に 続きを見越してしまわぬよう
そう思っても気付く時には気付いてしまう

 嗚呼 靴はどうしたの 何処に置いてきたの

欲張りなのは いつもの事
紅いアネモネを敷き詰めた棺桶の中に
貴方の靴を埋めてあげようね
安らかな眠りを願って子守歌も唱えよう

鉛直 怠惰 夢中 手を振り上げて
落下 欺瞞 杞憂 愚直すぎる夢

あまりに都合が良過ぎることには目をつむってあげよう

最後は大好きなキャラメルマキアートかなんかで
苦みを消して欲しかったのだけど
其処までは余りにも我が儘で

拍手

前のページ HOME 次のページ
photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
忍者ブログ [PR]
RECENT ENTRY
NEWS
PROFILE
lilas

主な取り扱い(多分)

気象 :AN、SO、JS 雑食
幻水 :赤毛軍師兄弟、坊

あと電凹とか忍たまとか…
LINK
アクセス解析
QRコード