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ほら得意の炎で焼いてくれ あなたの言う愛で
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安物のウィスキーを呷りブラインド・タッチでhttp://に助けを求めた
午前2時22分丑三つ時を少し過ぎたところ。

泥のような眠気の中で、
目の前をよぎるピーター・ラビッツの群れに、息を飲んだ。

無垢なうさぎの、きっちり並んだ足は勇敢に響く足音を携えていた。
カーブを描きながら跳ね上がる不快な雑音。
(ザッザッザッ…)
雑音の羅列に潜むデジャ・ヴを振り払う私はそれと同時にまた何かを忘れる。
(忘れるということは、激しい痛みと慟哭の下でのみ従順だ。)
(…そう、そしてそれはどんな時でも。)
(それでも、忘れながら、いきてきた。)
(忘却を最も恐れ、最も欲した。)

耳の奥、破裂するような音を立てて忘れがちな私は世界の内側から剥離する。
うさぎの足はぶつ切りの私を見て軽やかなタップを刻んだ。
沸き上がる嘔吐感と外側から覗くうさぎの赤い目。

「さあ!わたしはあなたをつかまえにきた!おろかなうさぎのこよ!」

「つみぶかきようすいにまみれたくろきひとみのみどりごよ!」

狂乱するうさぎの叫び声は。同時に突き出された腕。
(助けて助けて助けて助けて助け)途切れる音声。
ぶつ切り、の間に滑り込んだ雑音。
うさぎの柔らかな指は触れて。数十秒の猶予。私は、目撃する。

(ジッ…ガッ、ヒュウゥ…)

きらびやかな色彩の残像と光を失う発光ダイオード、に遮られた視界、
浅はかで真実ばかり見え過ぎる目で字面を追う。

うさぎの目のような真っ赤な嘘はもはやどこにもない。

そして、死にぞこないのピーター・ラビッツも、もういない。

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