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ほら得意の炎で焼いてくれ あなたの言う愛で
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N→M→S→O→A→N

全部想われ側目線。
みんながみんなむくわれなくていいとおもってる。
なんか久々に文章書いたら楽しかったな


side M
「じゅんくんがすきだよ」
突然耳に入ってきた言葉は、ふっと宙に浮かぶように小さく呟かれたもので、けれど残念ながら静かな楽屋の中で、俺はしっかり聞き取ってしまった。
理解が追いつかないで、呆然と二宮を振り返ると相手もこちらを見ている。
黒い二宮の瞳はいつでも雄弁に何かを語る。だけど、それは誰にも読みとれない。
「いらないよ」
次いで告げられた言葉の、意図が汲み取れないで口を開こうとした時、
「何も、いらない」

二宮はただ、それを何でもないように俺に告げる。


side S
それは当たり前のことだった。ただ事実として知っていた。
松本は可愛い弟だ。ずっとずっと、それこそ、こうしてメンバーとなる前から。
だから、俺は知らないふりをし続けていた。
意図を持って触れられるじゃれあいや、向けられる視線の中に含まれていた、純粋なまでの好意を、俺は受け取れることはできなかったのだ。

真っ直ぐに届けられたそれを、花を手折るような残酷さで、笑ってやって。
「それは間違いだ。いつか、大人になったらわかるときがくるよ」

そうやって、俺が幼い松本を傷つけたのは、いつかのこと。


side O
翔くんは、やさしい。
俺に話す時の声。ちょっと他の人と違う。べたべたに甘い声。
差し出される手。何でもしてくれる。いつでも俺のために。
緩やかに笑う瞳。俺のことをみて、柔らかく笑う。
なんで俺なんだろう?いつも思うこと。
頭が良くて優しくてイケメンで、ちょっと不器用な翔くんは、幾多数多の中から、俺だけにひどく甘い。
全力で俺を甘やかす。

翔くんの、甘い甘い、籠の中に俺は閉じこめられる。


side A
「ねえねえ」
俺に触れるとき、すこしだけ震えてるよね。
わかるよ、いつもぬれてる瞳を少しだけ揺らめかせて。
遠慮がちに伸ばされる手。
指先、キレイだなーっていつも思う。
ここから生み出されるものを知っているから、なんだかトクベツな感じ。
思わずその手をつかんだら、びくっと震えた。
あいばちゃん、唇が舌足らずな声を紡ぐ。俺は目を細ませた。

ああ、かわいいね。だけど俺が欲しいのはきみじゃないんだ。


side N
知ってるよ、アンタがどれだけ俺のこと好きか、なんて。
いつでも一緒にいたよね。ずっとずっと。
知らないことなんてないくらい、一緒にいたね。
唯一無二…つってもアンタは分かんないだろうけど、まあつまりは大切ってこと。
親友だもん。当たり前でしょ。
当たり前のように、またこれからも、一緒にいてくれるんでしょ?
好きだって?そんなの知らないよ。

俺、アンタの一瞬だけにはなりたくないのよ。



ずれていく

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