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ほら得意の炎で焼いてくれ あなたの言う愛で
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陽炎 ゆらり

そのはかなさといったら

生きる速度をあげて

見えなくなる蝉のよう


陰を彩り色取る

薄羽蜉蝣の透明

差し延べられた手をとれば

幸福がゆるされた はず


知らなかったと言える

それでもいい


かげよ ろうろうと

いつか終わらせてくれること

願っている




(Oct 5 2009)

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遠くを ユメ見たこともあった
お手軽な近くにあるニセモノを 信じられなくなったとき
たまりにたまったうみから ぬけだせなくなった

小鳥がユメ見た空のずっと遠く
見さだめるのは少しだけむずかしい
消失点のさらに向こう
目をこらして ようやく尻尾が見えた

手を のばして 指先に 触れた



明るいミライはきっと僕たちのためにある
あと少しだけ僕たちが欺瞞を信じていたら それに気付けたはずだった

(July 20,2007)

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希うことはいつまでもとっておきのままにしておく
ポケットの中 逃げ水のように
臆病なだけ そう言葉も添えて

ああいつまでも手を繋いでいたってくれない
階段を上る機会は もう そこまできている

だんだんに 段々と

ひとつひとつ気付かれないようにやめていって

いつか思考をやめたなら 僕はどこまで飛べるだろうか



(May 23,2007)

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静かに音を聞いている。
スカートのひだをベッドの上に散らばらせ、
きっちり閉めたシャツと首元のリボンを皺にしながら、
まるで母胎の中のように丸くなり、ひたすら待ち続けている。

(ずっ、ごそ、がたん、ご、ど、ずり、こつ、こつ…)

もしかしたら。
叶えてくれる人が現れるのかしら。
わたしは、想像する。

脳細胞のひとつひとつに毒が回るみたいに、
だんだんと機能のひとつひとつが興奮していって、
意識がふわり、浮かぶ。

 ゴミ袋の中に詰められたわたしのからだ。
 もうひとつではなくなってしまったわたし。
 しがらみも何も残っていない単なる物体。

ああ、なんて、悦ばしいこと!




そしてまた想いは届かず、足音が去る。
目を開けて、わたしはいつもどおり願いが叶わなかったことを知る。




...「今日も私は元気です。」





(Feb 15,2007)

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喉の奥から 胃の底から
ぐぉ と音でも立てて
口端にあふれてきそう
へどろのように くつくつと煮えたぎった
なにか 闇っぽい色をした 触れてはいけないもの

なにかに蝕まれていくこと
隙間がたくさんあるのなら なおさら
触れてはいけない だなんて言い聞かせて
ものわかりのいい大人のふり を していただけ
奥底なんて中からしか見えないって とうに知っていた

騙すことだけいつまでも忘れられなかった



(Feb 11,2007)

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