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ほら得意の炎で焼いてくれ あなたの言う愛で
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(たちまちに ゼロは 吸収されて 音を立ててはじけとぶ)

あなたのいない間 時計の音
凍てつくゼロに 唇を寄せる
シンデレラの 破壊された夜
奏でる音を 煌びやかさなど
もう何も 必要なかった喧騒

(希望も願望も存在しない 満たされた無機質な横顔がそこにあるだけ)

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だましてもいい。

あなたのもとにすべてが届くころ、
ぼくはそうやってうそぶいた。
気付いていた。
もう、あなたがぼくでないことに。


てをつなぎあっていたころの夢をみよう。

それがしあわせであったころの歌をうたおう。


溶けあえていたのは、それはずっと昔のことで、
境界線がなくなってしまえるほど、柔らかく未熟だったから。
それから少しだけ大人になって分かったのは、
いつかはぼくらが形作られてしまうということだけ。

こたい、になってしまったぼくらは、もうひとつじゃない。

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満ち足りていて綺麗なものばかりが真実
薄く口を空けて白い歯をちらりと見せ上品に笑う

満たされない私
吹き溜まった朝のかたまり
起き上がっても夜のまま
私は幾多も隙間を通り
小さく身を縮込ませて

満ち足りた人々の間を卑しく這い蹲るのです

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安物のウィスキーを呷りブラインド・タッチでhttp://に助けを求めた
午前2時22分丑三つ時を少し過ぎたところ。

泥のような眠気の中で、
目の前をよぎるピーター・ラビッツの群れに、息を飲んだ。

無垢なうさぎの、きっちり並んだ足は勇敢に響く足音を携えていた。
カーブを描きながら跳ね上がる不快な雑音。
(ザッザッザッ…)
雑音の羅列に潜むデジャ・ヴを振り払う私はそれと同時にまた何かを忘れる。
(忘れるということは、激しい痛みと慟哭の下でのみ従順だ。)
(…そう、そしてそれはどんな時でも。)
(それでも、忘れながら、いきてきた。)
(忘却を最も恐れ、最も欲した。)

耳の奥、破裂するような音を立てて忘れがちな私は世界の内側から剥離する。
うさぎの足はぶつ切りの私を見て軽やかなタップを刻んだ。
沸き上がる嘔吐感と外側から覗くうさぎの赤い目。

「さあ!わたしはあなたをつかまえにきた!おろかなうさぎのこよ!」

「つみぶかきようすいにまみれたくろきひとみのみどりごよ!」

狂乱するうさぎの叫び声は。同時に突き出された腕。
(助けて助けて助けて助けて助け)途切れる音声。
ぶつ切り、の間に滑り込んだ雑音。
うさぎの柔らかな指は触れて。数十秒の猶予。私は、目撃する。

(ジッ…ガッ、ヒュウゥ…)

きらびやかな色彩の残像と光を失う発光ダイオード、に遮られた視界、
浅はかで真実ばかり見え過ぎる目で字面を追う。

うさぎの目のような真っ赤な嘘はもはやどこにもない。

そして、死にぞこないのピーター・ラビッツも、もういない。

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泳いでいた。魚、のようなうねりを持って。
あの、光る川岸の向こうへ求め、飛ぼうとしていた。
浅はかなひれをはねらせ、自らその道を選んだ。
盲目的に、愛せもしないそれを愛したのだから。

 (どうしようもなく近視眼的で傲慢な思いを懸けて。)

語られない続きは、あったのかもしれない。
でも、それはずっと秘密裏に隠されてきた本当だった。
あまりにも優しく封じられてしまった嘘でもあった。
開けてはいけないと、伝えられずに悟った。
または、触れて、囚われるのを恐れた。

届くと信じた。
それでも、たとえ、いつか。
身を焦がすようにこいつづけ、届いて。

対岸に辿り着いたそれが、干涸らびるのを見るとしても、
正しくなど無い真実など、何一ついらないのだと。

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photo by 七ツ森  /  material by 素材のかけら
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