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ほら得意の炎で焼いてくれ あなたの言う愛で
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こうしてどこまでもぐるりと輪を描く世界はさかさまだった。
「それじゃ見えてしまうじゃないか!」
サビシイという名の人があわててカーテンを引いた。
この世界はさかさまで成り立っているのだから、カーテンはいつまで経ってもめくれたままだ。
それをサビシイは知らない。
知らないでカーテンを引いたつもりになっていたりする。

表面と裏面の境界が暗転するのはカーテンが文字を変えるときだ。
「ねえ、このさかさまの世界をぜーんぶあの袋に詰めて月曜日、
燃えるゴミの日に出しちゃうってのはどう?」
頭文字に“あ”の付く女の子がサビシイを虐げる。
サビシイはその子が嫌いだった。
だからこっそり、「あ 」なんて呼んでやらなかった。

世界のスイッチがきれいに切れた日。
サビシイは可哀想なあの子に愛という名を新しく付けてやった。
終わってから分かることもあるのだと。
元々の愛を踏みつぶしてゴミ箱に捨てた。
さかさまの世界を見上げるのも今日で充電切れだった。消費期限だって切れていた。

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